- ダイエットが思うようにいかず疲れ切っている方
- 痩せるために筋トレや運動を積極的に行っている方
- 睡眠の質とダイエットの関係性を知りたい方
本記事は、ダイエットを頑張る方に知って頂きたい内容となっております。
ダイエットを頑張っていても、なかなか成果が出ないと悩んでいる方は多いかと思います。
残念ながら食事制限、または運動を頑張っているだけではダイエットはうまくいきません。
ポイント
なぜなら成果を出すためには頑張るだけでなく、しっかり体を休めることも重要だからです。
しっかり体を休めるためには質の高い睡眠が不可欠となります。
では、なぜ質の高い睡眠がダイエットと関係してくるのか?
その理由を以下で解説していきます。
睡眠不足がダイエットを阻害する3つの大きな理由
『成長ホルモン』の分泌を阻害
『成長ホルモン』恐らく誰もが耳にしたことがある言葉だと思いますが、このホルモンは細胞の増殖、正常な代謝の促進などの役割があり、骨や筋肉の細胞は成長ホルモンの影響を受けて作れていきます。
筋トレはダイエットの基本でもりますが、良い体を作ろうと筋トレを行い、しっかり栄養のある食事を摂取していても、それを筋肉として作り変えてくれる機能が正常に働いていなければ意味がありませんよね?
寝る子は育つと言われますが、子供だけでなく大人もしっかり寝なくてはいけません。
また、成長ホルモンは美容効果にも大きな影響を与えているので、睡眠不足は老化を促すとも考えられますので気をつけましょう!
食欲抑制ホルモンの分泌を阻害
食欲を抑制するホルモンに『レプチン』と呼ばれる物質がありますが、睡眠不足だと、このレプチンが分泌されにくくなってしまうことが分かっています。
さらに睡眠不足で厄介なので、食欲を増進する『グレリン』呼ばれるホルモンが分泌されてしまうことにあります。
アメリカで100万人規模の疫学調査で、睡眠時間が短いと太りやすいということも判明しており、睡眠と肥満の関係性は現代では明らかになっています。
メモ
ダイエットを頑張るのも良いけど、普段から睡眠が足りてないって方は、睡眠時間を確保する努力をしましょう!
自律神経のバランスを阻害
しっかりとした睡眠がとれない場合、自律神経のバランスを乱す可能性があります。
自律神経は、代謝や体温調整、胃腸の消化活動など、体の様々な機能を担っているため、バランスが乱れてしまうと日常のパフォーマンスが著しく低下してしまいます。
それだけでなく、自律神経の乱れは睡眠も妨げてしまうことが分かっており、質の高い睡眠を得ることが出来なくなってしまいます。
睡眠の妨げは、成長ホルモンの分泌にも影響しますし、食欲抑制ホルモンの分泌にも関係してくるので、自律神経が乱れると不眠のスパイラスに陥りダイエットだけでなく健康面を大きく阻害する可能性があります。
質の高い睡眠で得られるダイエット効果
ホルモンバランスや自律神経を調え代謝を促進
成長ホルモンについては前述しましたが、このホルモンは新陳代謝を調整し、骨や筋肉、髪や皮膚なども成長ホルモンの影響を受けて新しい細胞が作られていきます。
代謝はもちろんのこと、ダイエットに欠かすことのできない筋肉は睡眠時に作られるため、質の高い睡眠はダイエットに適した体格を作るとも言えるでしょう!
成長ホルモンは入眠直後の深い眠りで70~80%が分泌されるため、就寝前の行い次第で深い睡眠に入れるかどうかが決まります。
そして、自律神経も代謝に大きく関係しており、ぐっすり眠ることで自律神経のバランスを整えることが可能になり、健全な体のパフォーマンスを維持できます。
食欲抑制ホルモンの分泌させ、食欲増進ホルモンを抑制する
食欲を抑制するホルモンに『レプチン』という物質があることをお伝えしましたが、高い睡眠をしっかりとっていればこのホルモンが正常に機能します。
そして、胃から分泌される食欲増進ホルモンの『グレリン』も抑えることが可能になります。
メモ
ダイエットを行っているのだけど、なかなか痩せない方は、もしかすると睡眠不足が関わっているのかもしれませんよ!
質の高い睡眠を得るためには?
質の高い睡眠とは、寝入った時にどれだけ深い睡眠に入れるかどうかを意味しています。
先にも紹介しましたが、成長ホルモンは入眠直後の深い眠りのなかで70~80%が分泌されると解説しました。
メモ
つまり、入眠直後に浅い眠りではなく瞬時に爆睡してしまうほど強烈な睡魔に襲われる必要があるわけですね!
その方法を以下で紹介していきます。
お風呂上り90分後の就寝を目指す!
私達人間は恒温動物ではありますが、微差ながら体温は日々変動しています。
夜眠っているときが最も体温が低く、午後の2時~3時ごろが最も体温が高い状態になります。
個人差はありますが、平均して0.7℃の変動があるようです。
ヒトは夜に体温が下がったころに眠くなり、朝方に向かって体温が上昇してくると覚醒します。
つまり、眠くなる現象は体温と密接な関係があり、体温が低くなることで眠気を誘発するのです。
そこでこの体温を利用した快適睡眠への導入方法としてお風呂があります。
皆さんご経験があるかと思いますが、お風呂からあがってしばらくたつと眠気が一気に現れたりしますよね?
これは、入浴することで体温が上昇し、お風呂あがりはしばらく血管が拡張し、熱放散が促進されからです。
熱放散が促進されることで体温がすこしづつ低くなり、眠気が一気に誘発されるわけですね。
だから、お風呂を利用するのも手段の一つです。
ただ、お風呂から上がったばかりの時は体温が上がっている状態で、入浴前の体温には約90分ほどかかるようです。
メモ
眠りやすいコンディションを逆算して、就寝前の90分前までにお風呂から上がるようにしましょう!
通気性、吸水性の良い寝具を利用する!
先ほど『体温の低下=眠くなる』と解説しましたが、ここで言う体温とは深部体温を意味します。
私達が普段体温と呼んでいるのは肌の温度のことを言っていると思いますが、深部体温とは身体内部の温度になります。
この深部体温が下がるようになると、内部の熱が表面に放散されるようになり、体の肌の温度も上昇するようになります。
ポイント
赤ちゃんが眠くなると体が温かくなり、さらに体も赤くなりますよね?これは熱放散により身体内部の温度が下がり、睡眠に入ろうとしているからです。
私達も同じで、体がポカポカ気持ちよくなっている時に眠気を感じるのは深部体温が下がっているからです。
つまり、すっと深い眠りに入るためにはこの熱放散を阻害しない環境を作る必要があるわけです。
快適な環境を作るためには寝具も重要になってくるわけで、出来るだけ熱放散を邪魔しない通気性、吸水性の良い寝具を利用すると良いでしょう!
夏場であればタオルケットは非常に便利ですし、冬場であればダウンのようなフワフワして温かく軽い素材は熱放散を邪魔しないので便利です。
夕食は、就寝前の2~3時間前に済ませる
夜間の空腹時には、通常では分泌が抑制されているはずの覚醒ホルモンの分泌が促され、なかなか寝付けない状態になったりします。
私は競技時代、試合前日の軽量に合わせ、8kgの減量を何度か行っていましたが、とにかく寝つきが悪く、就寝中に何度か目覚めた経験があります。
お腹が空いてイライラしていることもありますが、空腹時に発生する覚醒ホルモンの影響があるのでしょう。
ポイント
空腹状態では質の良い睡眠を実現できないため、空腹を感じていない状況で眠りにつきましょう!
また満腹になると強烈な睡魔が襲ってくることがありますが、その状態では胃や腸が必至に消化活動を行っているため、体が休息状態にならず睡眠の質を下げてしまうことになります。
『食ってすぐ寝ると太る』なんて言葉を聞いたことがあるかと思いますが、これは胃腸で消化されている食べ物がエネルギーとして使われず、脂肪として蓄積されてしまうからです。
そのため、質の高い睡眠を目指すのであれば、消化活動が落ち着き、空腹感を感じていない状況である2~3時間前に夕食を済ませるのがベストではないかと思います。
就寝前のブルーライトを避ける
夜間眠くなる要因の一つとして、眠りのホルモンとも呼ばれる『メラトニン』が夜間に合成されるからです。
メラトニンの血中濃度が高くなると、体温が下がり徐々に眠くなっていきます。
しかし、メラトニンは、光刺激によって分泌が強く抑制される特性があり、夜遅くまで部屋を明るくしていたり、パソコンやスマホとにらめっこしているとメラトニンの合成を阻害します。
そうなってしまうと、眠くなる時間帯でも覚醒状態が続いてしまい、寝つきが悪かったり、眠りが浅かったりと、睡眠の質を落としてしまうことになってしまいます。
特にテレビやパソコン、スマホから発せられるブルーライトは、メラトニンの分泌を阻害し、覚醒効果があるため睡眠の質を大きく下げてしまいます。
成長ホルモンは入眠直後の深い眠りで70~80%が分泌されるとお伝えしたように、寝入りばなが非常に大事です。
だからこそ、夜間は照明を暗くして、スマホを手放す習慣があると良いでしょう。
また最近の照明はLEDといったブルーライト領域を含んだものが多く普及しており、明るくて良いのですが、やはり就寝前には良くない光です。
対策としては、夜間は暖色系の間接照明に切り替えるなど工夫をすると良いでしょう。
以上、『睡眠不足は絶対にダイエットが成功しない その理由とは?』をご紹介致しました。
『本記事の参考文献』
スタンフォード大学教授が教える 熟睡の習慣(PHP新書) 著者:西野精治