元アスリートのDr.kです。
今回は『ところてんにダイエット効果なし!ダイエットブログの実態を知る』をテーマに解説していきたいと思います。
ハッキリ言います。
ところてんにダイエット効果はありません!
『え?でもところてんってダイエット効果があるって聞いたことがあるけど・・・』
確かに、『ところてんでダイエット成功しました』『ところてんで・・キロ痩せました!』・・・的なブログ記事をよくみかけますが、これって本当にところてんの効果なんでしょうかね?
正直、そんなわけありません。
そもそも、ところてんがダイエットに効果をもたらしているという根拠はどこからきているのでしょうか?
それを証明しているブログ記事はどこに存在しているのでしょうか?
エビデンスが存在していない時点でところてんのダイエット論は成立しません。
とは言え、私のところてんダイエットNG論についても根拠を示していないので、これから解説していきたいと思います。
ところてんにダイエット効果が期待できない残念な理由
とろこてんにダイエット効果が期待できない理由は5文字で表現できます。それは・・・
『なにもない』・・・
ただそれだけです。
ところてんの栄養価はほぼ0である
『なにもない?ってどういうこと?』・・・って思われたかと思いますが、単純に栄養がほぼ0であり、肝心な栄養がもない状態なんです。
実は、ところてんには栄養価と言えるようなものがほとんどなく、ビタミンの含有量は皆無で微量にミネラルが含まれている程度です。
そもそもダイエットには以下の栄養素が必要と私は考えます。
- 食物繊維
- ビタミン&ミネラル
- たんぱく質
- 良質な脂質
ここで以上の4点を論じるつもりはありませんが、少なくとも1~2までは必要な栄養素であると誰もが感じていただけるかと思います。
しかし、ところてんには残念ながらなにもありません。
もし私の言っていることが疑い深いようであれば、女子栄養大学出版部『食品成分表』を参照してみてください。
恐ろしいほどなにも含まれていないのが分かるかと思います。
しかし、なぜところてんには栄養価がないのでしょうか?
『ところてん』は精米されたお米のようなもの
ところてんの栄養価について論じる前に、ところてんがどんな材料で作られているのか知って頂きたいと思います。
とろこてんは『テングサ』や『オゴノリ』と呼ばれる海藻から出来ており、それらをゆでて溶かし、不純物を取り除いたものを冷やして固めたものになります。
固まったものを天突きとよばれる専用の器具で押し出すことにより、下記の写真のように麺状の形に揃えられて出てくるわけです。
不純物こそ大切である?
ところてんに栄養価がないのは、原材料のテングサやオゴノリから不純物を取り除いたことにより、ビタミンやミネラルが損なわれ、栄養価が失われていると思われます。
つまり、本来であればお米は玄米で食べた方が圧倒的に栄養価が高く、健康にもダイエットにも良いはずなのに、美味しく頂くために不純物を取り除いてしまっている・・・まあお米の場合は糖質がガッツリ含まれているので太りやすさ満点ですけどね(笑)
美味しさもそうですが、ところてんの透明感と清涼感を引き立てるには無駄なものは排除したいのですね。
なので、もしダイエット効果が存在するところてんがあるとするならば、不純物を潤沢に含み、透明感と清涼感のかけらもないようなところてんが本来の姿なのです(笑)
ところてんは99%が水で出来ている?
ところてんに含まれる成分について補足ですが、なんと質量の約99%が水分で構成されており、その他は食物繊維が0.6%、その他は微々たるミネラル分とたんぱく質で構成されております。
そして三大栄養素である糖質、脂質が0%であり、たんぱく質も全体の0.2%程度しか含まれていないため、ところてんはほぼ0カロリーの食品となります。
冒頭から申し上げているように、本当になにも含まれていない食べ物なんです。
だからこそ、栄養価はほぼ0であり、とりわけ特別な成分があるわけでもないのに、なぜ世間ではところてんにダイエット効果があると思われているのかが不思議で仕方ありません。
なので、ここまでの本記事の結論としては、ところてんのダイエットブログで紹介されている内容は間違いであると言えます。
ところてんは嗜好品
とは言え、ところてんには救いようのない食べ物であるかと言えばそうではありません。
実際、私もところてんの触感やのど越しがとても好きで、夏場なんかは好んで食べています。
もちろん、ダイエット目的や健康効果を期待して食べているわけではありません。
あくまでも嗜好品として食べているようなものですね。
唯一の希望は微量に含まれる食物繊維?
唯一、ところてんにダイエットの有効性を見出すなら、微量に含まれる食物繊維だと思います。
ただ勘違いしないで欲しいのは、ところてんを食べるくらいなら、キノコを食べてください。
同じ質量でもキノコの方が5~10倍潤沢に食物繊維が含まれていますから!
食物繊維はダイエットにとって欠かすことの出来ない有用成分ですので、補足としてご紹介していきます。
食物繊維のダイエット効果
食物繊維には以下の2タイプが存在します。
ポイント
- 水溶性食物繊維
- 不溶性食物繊維
食物繊維にはこれら2種類のものが存在し、それぞれ異なる働きがあります。
水溶性食物繊維が太りにくい体へ
『水溶性食物繊維』には、糖の吸収をゆるやかにする性質があります。
以前まではカロリーの高い食べ物を食べると太ると言われておりましたが、現在では太る主な原因は、ごはん(白米)、麺、パンなどの炭水化物(糖)をたくさん食べてしまうことだと言われております。
糖質を含んだ食事をすると、血糖値が上昇しますが、この血糖値が急激な上がり方をしたりすると健康面で様々な問題を与えるだけでなく、血中の糖の処理がおいつかなくなると、糖が脂肪となって蓄積されてしまうのです。
なので、ダイエットを頑張りたい方は食事の際に血糖値の上昇を抑えていくことで不可欠となります。
そんな時に役に立つのが、ところてんに含まれる『水溶性食物繊維』です!
実は、この水溶性食物繊維には、糖の吸収を緩やかにしてくれる性質があり、食前に食べることで『ごはん(白米)』『パン』『麺』などの炭水化物に含まれる糖の吸収を抑えことが出来ます。
私たちが糖質を含んだ食べ物を体内に摂取した場合、血糖値が上昇しますが、血糖値が上昇したままでは具合が悪いので、インスリンと呼ばれるホルモン物質が血糖値を下げようと働きかけてくれます。
実は、このインスリンが血糖値を下げる過程で、エネルギーに必要とされる糖分に関しては細胞で代謝されていくのですが、不必要な糖分に関しては脂肪細胞へと運ばれ脂肪として蓄積されてしまうのです・・・
厄介な体のメカニズムのように感じられますが、かつての人類は食料にありつけるかどうか分からない時代もあったことでしょうから、食べれるときに食べてエネルギーとなる脂肪を体に蓄えておくために備わったシステムなのかもしれませんね。
しかし、現代は飽食の時代のため、これらには気を付ける必要があります。
そんな時に、水溶性食物繊維を摂取することで血糖値の急上昇を防ぐことが出来るのです!
結果、血糖値の上昇を抑えることで、脂肪のつきにくい食事の摂り方ができ、ダイエット効果が期待できると言えるのです。
不溶性食物繊維の『食べすぎ防止効果』
不溶性食物繊維の特徴は、胃や腸内の中で膨らむ性質があります。
胃や腸内で膨らむということは、そんなに食ってはいないのに食べたような感覚になるってことですね♪
従来の食事量を満たさなくても満満腹感を与えることが出来るわけです。
その他、腸内で不溶性食物繊維が膨張することで、腸を刺激し、腸のぜんどう運動を活発化させることができます。
食事制限のダイエットをすると、どうしても食べる量が少ないため、腸内での刺激をも少なくなってしまいます。
結果、刺激が少ないことで腸の活動も停滞してしまい、便通が悪くなり腸内環境が悪くなってしまいます。
腸内環境が悪くなると血液循環も悪くなり、体の代謝が落ちてしまい太りやすくなるだけでなく健康を阻害する要因にもなってしまします。
しかし不溶性食物繊維により、満腹感を与えるだけでなく便通もよくする効果があるので、食べすぎを抑制し、腸内環境の改善をもたらし体の代謝も良くなります。
なお、食物繊維についてより詳しく知りたい方は以下の記事を参照されてください。
食物繊維のダイエット効果についてより詳しく解説しております。
『ところてんの食べ方に注意』
最後にところてんを食べる際の注意点をご紹介していきます。
微量ながら食物繊維が含まれていることが分かり、多少はダイエットの恩恵を受けれるかもしれません。
そんな時は以下の点に気を付けてください。
注意
- ダイエット効果を期待したいなら『ところてん』は食前に食べる
- 甘い味付けは避ける
- とろこてんの食べすぎに注意
ダイエット効果を期待したいなら『ところてん』は食前に食べる
食前に食べる理由についてですが、糖質の吸収を穏やかにするためには食前に『ところてん』がもつ食物繊維を摂取しておく必要があるからです。
食物繊維が体内にあるおかげで、そのあとに入ってくる食物の糖の吸収率を抑えてくれるのです。
他にも、胃の中に食べ物を入れておくことで満腹感を与えることもできるかもしれません。
甘い味付けは避ける
次に甘い味付けは避けた方がよい理由ですが、そもそも『ところてん』を最初に食べる理由の一つとして『糖質』の吸収を抑えるためだとお伝えしました。
それなのに、甘い味付けをしてしまっては同時に糖質も摂取してしまうことになるため、本末転倒な結果になってしまいます。
地方によって『ところてん』の味付けは異なるようで、私の住んでいる中部地方では酢醤油、または三杯酢(酢、醤油、砂糖のブレンド)が一般的ですが、関西の方では黒蜜が一般的だとか・・・
もはや、食事のおかずとデザートの違いぐらい温度差があるようですね・・・
糖質の吸収を考えるなら、前者の酢醤油か三杯酢で食べることをオススメします。
とろこてんの食べすぎに注意
『ところてん』の食べすぎ注意についてですが、ところてんを食べすぎて他の食事がおろそかにならないように気を付けて欲しいからです。
基本の食事がおろそかになり栄養バランスが崩れることにもなりかねませんので、あくまでも補助食品として食べていただき、メインとなる食事はしっかりとりましょう!
決して『ところてん』がメインになってはいけませんよ(^^♪
というか、むしろ補助食品ではなく嗜好品だと思って頂き、野菜やキノコをしっかり食べてください。
本記事のまとめ
記事前半では、ところてんについて否定的な意見を述べてきましたが、とはいえ決してNGな食べ物ではありません。
私個人も好きな食べ物ではありますし、クソ暑い夏場では積極的に食べていたりします。
少なくとも、ところてんは一つの食事の楽しみとして食べていただき、しっかり栄養バランスよく他の食事を取り入れていくスタンスが大切です。
ところてんをメインにしたダイエット方法は栄養不足となり確実に体の崩壊へと導きます。
以上、ここまでお読み頂きありがとうございます。