元アスリートのDr.kです。
今回は日本で社会問題になりつつある『サルコペニア』についてご紹介していきます。
高齢化が進む日本において、非常に深刻な問題ですので、改善方法も含め知って頂きたい内容です。
サルコペニアとは?
サルコペニアとは、加齢に伴う現象で、筋肉量や筋力が減少することを意味します。
ギリシャ語でサルコは筋肉を意味し、ぺニアは喪失を意味します。
人間の筋力、筋量は、20代でピークを迎え、30歳を過ぎてからは減少傾向にあり、40代くらいを超えてくると衰えも顕著になり、何もしないでいると階段を滑り落ちるかのように筋肉が衰えていくのです。
これがサルコペニアの症状であり、普段から体を鍛えていない方は体の衰えも早くなり『フレイル』という要介護の前段階の虚弱状態になってしまうかもしれません。
サルコペニアが進行すると要介護になる可能性も!
さきほどフレイルという言葉を使いましたが、フレイルとは要介護の前段階の虚弱状態のことをいいます。
普段から運動や筋トレを行っていない方は加齢に伴い体がどんどん弱っていきますので、これが日常生活に支障をきたし、いよいよ自分一人では生活が難しくなってくるような状態がフレイルにあたります。
また、サルコペニアが進行し、活動レベルが低下すると転倒して骨折といった事故が発生しやすくなります。
場合によっては寝たきりの状態になり、高齢者の方であれば認知症を進行させてしまうリスクも考えられます。
これら運動器の機能低下によりフレイルに陥り、これがさらに重篤化すると要介護になってしまうのです。
参考
ちなみに要介護になってしまう原因で最も高いのが脳卒中で、2番目が認知症です。3番目が高齢による衰弱、4番目が骨折・転倒、5番目が関節疾患と言われています。
そして筋肉や関節、骨といった『運動器の機能低下』が全体の約30%にもあたるようです。
※(厚生労働省【国見生活基準調査】2013年)のデータを引用
以上のように、サルコペニアが進行すると要介護リスクが非常に高まってくることが分かって頂けたかと思います。
サルコペニアの進行を防ぐ唯一の手段は筋トレ
当たり前の解説になってしまいますが、サルコペニアは加齢に伴う筋肉量と筋力の減少ですので、これを予防、または改善する方法は筋トレしかありません。
どんだけ良い食事をして栄養素をとったとしても、体に負荷を与えたり刺激を与えなければ筋肉は成長しませんし、栄養過多になって太るだけかもしれません。
そして筋トレを含めた運動不足は骨密度にも影響しており、体に負荷を与えることで骨を強化する成分が分泌されることが分かっています。
筋肉だけでなく骨も弱い状態になってしまっては要介護街道まっしぐらです。
そんな弱弱しい体にならないためにも、隙間時間を作って体を鍛える習慣をとりいれていきましょう!
それと、ここまでは高齢者のみが対象だと思って読まれた方もいるかもしれませんが、若い方でもサルコペニアが進行するリスクは十分にあるので気を付けてください。
年齢関係なく体を動かさなければ肉体はどんどん衰えていきます。
デスクワーク中心の仕事をしている方に顕著なのですが、仕事もプライベートも全く運動をしていないといった方は要注意です。
それこそ食生活も乱れていたりすれば、下手をすれば要介護レベルの病気を発症する可能性だってあるのです。
最近では、20代でも脳卒中やアルツハイマーなどを発症する方がいらっしゃるので、年齢が若いからといっても安心はできません。
体を動かしたり鍛えたりするのは年齢関係なしに、死ぬまで健康でいたいなら生涯現役で行っていくべきなのです。
是非、健康で楽しく生きていくためにも筋トレは生涯現役で行っていきたい要望策です。