今回は【睡眠のホルモン『メラトニン』とは?|睡眠を改善する5つのルール】について解説していきたいと思います。
一部の職業のかたを除いて、私達は朝になると行動し、夜になると眠るといった行動パターンが定着しているかと思いますが、これってなぜなんでしょうね?
なぜ学校も会社も朝の8時頃にスタートするのか?なぜその時間で活動することが当たり前になっているのか?
その理由は『人間の生態リズムが最適化された時間』であるからです。つまり夜は眠くて物事に取り組む余裕がなく生産性は悪いが、日中は眠気が覚めて行動を起こしやすく生産性がバンバン上がる・・・あくまでも私の解釈ですが、それが最大の理由であると思います。
もちろん私は科学者でもなければ専門家でもないので偉そうなことは言えませんが・・・それ以外になにか理由ってありますか?生産性が高い時間に人間は働いた方が絶対に合理的ですよね?
そもそも人はなぜ眠くなるのか?その理由は今回のテーマである『メラトニン』が大きく関係しているので、これから詳しく解説していきたいと思います。
簡単なコンテンツの紹介として、記事前半では『メラトニンとはなにか?』について解説し、記事後半では睡眠を阻害する行いと生産性をあげるための快眠方法についてご紹介していきます。
眠りのホルモン『メラトニン』の働きとは?
まず最初に『メラトニンとはなにか?』についてご紹介していきます。
メラトニンとは、人間の体内で生成されているホルモン物質になります。
メラトニンの作られ方は、必須アミノ酸の一つ『トリプトファン』とよばれる物質が神経伝達物質セロトニンに合成され、そのセロトニンが脳の松果体と呼ばれる内分泌器でメラトニンに合成されたものです。
別にメラトニンの作られ方なんて覚える必要はないですが、一応掲載しておきました。
肝心なのはこれからご紹介するメラトニンの働きについてです。
メラトニンの2つの働き
- 睡眠への誘導
- 体内時計の調節
以上の2点になりますが、それらについては以下で順に解説していきます。
メラトニンの睡眠へ誘導
メラトニンの最も大きな役割は睡眠への誘導です。
私たちが日中に活動し、夜になると眠くなるといったリズムは、このメラトニンの合成によって起きていると言えます。
メラトニンは夜間に合成され、生成されるとすぐに放出にむかっていく性質があります。なので眠気マックスの状態で睡眠に入ると、朝方に向かって徐々に眠気が覚めてくるというわけです。
またメラトニンが合成され、メラトニンの血中濃度が高くなると、体温が低下し、眠気が強くなる傾向にあります。
光刺激によってメラトニンの分泌が抑制される
『メラトニンの分泌で眠くなるってことはわかったけど、なんで夜になるとメラトニンの合成が高まるの?』
そのような疑問をお持ちの方がもしかするといらっしゃるかもしれませんが、その理由はメラトニンは光刺激によって分泌が抑制される性質があるからです。
これは網膜にある受容体が光を感知し、それを信号として脳の視交叉上核に送り、この情報が松果体に伝達されることでメラトニンの分泌が抑制されるといったメカニズムになります。
日中は太陽光がガンガン降り注いでいる時間帯なので、必然的に眠気が発生しにくい状態です。それに対して夜は太陽光がゼロの状態なので、メラトニンが発生しやすく眠くなりやすい傾向にあるわけです。
体内時計の調節
メラトニンの合成によって眠気が誘発されることが分かりましたが、実は眠気だけでなく私たちの体内時計にも影響を与えている重要なホルモンです。
人間の体内時計のリズムは24.2時間
人間の体内時計はきっちり24時間周期ではなく、微妙にずれています。
そのずれは一日12分になり、24.2時間周期にて回転しています。非常に微妙なズレになりますが、これを放置していると一か月後には6時間もずれてしまうことになるのです。
そんなことになったら、私達は昼夜逆転のリズムとなってしまい、夜に眠気が冴え、日中は眠いといった症状に悩まされます。
しかし、実際にそうならないのはメラトニンの分泌によって体内時計が調整されているためであり、このおかげで私たちは昼夜逆転に陥らなくて済んでいるのです。
睡眠を阻害する残念な行いベスト3
残念な行いベスト3とは?
- 寝る前のスマホやパソコン
- 就寝前の作業や考え事
- お風呂はシャワーで済ませる
以上となります。
それぞれを順に解説していきます!
寝る前のスマホやパソコン
私もそうですが、これから床につこうとしている時間帯でスマホを熱心にいじっていませんか?
この行為はまるで自分自身に対して睡眠妨害を行っているようなものです。
なぜかというと、先ほどメラトニンの分泌は光刺激によって阻害されるとお伝えしましたね?
そう!実はスマホやパソコンから発せられるブルーライトもメラトニンの分泌を阻害する効果があるので、スマホを寝る前にいじってしまうと自ずと睡眠の質が下がってしまうのです。
こんな経験ありませんか?寝る前にスマホをいじっていたら頭が冴え冴えで全く眠くないなんてこと?恐らくありますよね?
なので、スマホやパソコンは睡魔をやっつけてしまうキラーマシンなので、寝る前は見ないようにしましょう!
就寝前の作業や考え事が眠りを浅くする
スマホやパソコンのブルーライトは睡眠の質を下げる要因だとお伝えしましたが、これはブルーライトだけの問題だけでなく、寝る前に頭を使うことも問題です。
どういうことかというと、スマホやパソコンに表示されている文面をみているだけでも脳は活性化してしまうので、せっかく睡眠モードに入りつつある体を覚醒させてしまっているのです。
別にスマホに限らないことですが、寝る前に頭を使う作業はやめておいたほうが良いです。
お風呂はシャワーで済ませる
これは悪癖とは言いませんが、シャワーで済ませてしまうのはもったいないので紹介しておきます。
忙し方やお風呂嫌いな方に多い傾向ですが、お風呂をシャワーだけで済ませるのは睡眠の質を下げる原因になるので、できるだけ睡眠の質を上げたいならしっかり入浴したほうが良いです。
この理由については次のチャプターでご紹介していきます。
夜ぐっすり眠るために必要な5つのルール
夜ぐっすり眠るために必要な5つのルール
- 就寝前はスマホやパソコン操作を一切しない
- 寝る前に作業や考えごとをしない
- お風呂はシャワーで済ませず浴槽につかる
- 適度な筋トレ
- 夜は間接照明に切り替える
就寝前はスマホやパソコン操作を一切しない
先ほどチャプターでお伝えしましたが、就寝前にスマホやパソコンはやめましょう!
理由は先ほど言ったように、メラトニンの分泌を阻害し睡眠の質を下げてしまうからです。
もし睡眠の質を高めたいと思うのなら、寝るギリギリまでスマホをかちゃかちゃしている人は今日からその悪癖やめてみませんか?
寝る前に作業や考えごとをしない
寝る前は作業や考えごとをしないで完全惰性モードで過ごしましょう!
テレビでも気になる情報が飛び込んできた場合、気になって寝れなくなるかもしれないので、究極の睡眠を目指したいならすべての情報をミュートしましょう!
もはやテレビもスマホもパソコンもすべてオフにすべきです!
お風呂はシャワーで済ませず浴槽につかる
できるのならお風呂はシャワーで済ませず、せめて最低でも10分以上はしっかり入浴しましょう!
なぜ入浴をオススメするかというと、お風呂に浸かることで一時的に体温が上昇しますよね?それもシャワーと違って体の芯まで温まります。
すると、お風呂上りは温まった体が自然と冷えてくるため体の内部の熱を発散するようになり、一時間後くらいには体温の低下とともに眠気もやってきます。
この眠気の勢いとともに寝ることで劇的に寝つきがよくなるので、超オススメです!
適度な筋トレ
いきなり突拍子もない発言に聞こえるかもしれませんが、実は就寝前の2~3時間前に軽めの筋トレをしておくのは睡眠の質を上げるのでオススメです。
これも入浴と同じ原理ですが、筋トレによって上昇した体温が下がる際に眠気が発生するので、それを利用して眠りに落ちましょうってことです。
それと適度な疲労感も睡眠導入にはよいので、もし筋トレが嫌いでなければ簡単なもので良いのでやってみると良いでしょう!
『寝る前の筋トレ効果』就寝前の筋トレでダイエットを促進させる!
夜は間接照明に切り替える
夜は間接照明に切り替えるといいです!
なぜかというと、一般家庭で使われている照明は白色系の照明が主に使われており、この光もメラトニンの分泌を阻害する働きがあるためです。
その点、暖色系の照明は光の刺激がそんなに強くなく暗めなので、メラトニンの合成を妨げにくくなります。
なので、間接照明などの光刺激の少ないものに切り替えることで、体がリラックスし寝つきやすい状況を作ることが可能になるのです。
まとめ
さて、ここまで【睡眠のホルモン『メラトニン』とは?|睡眠を改善する5つのルール】についてお伝えしてきました。
メラトニンの分泌によって人間の体内時計は維持され、夜は眠くなり、日中は眠気が冴えて活動的になれることが分かりました。
またメラトニンの分泌のメカニズムを知ることで、睡眠の質を上げる方法についてもご紹介致しました。
睡眠の質を上げるための方法を簡潔にまとめると、就寝前には脳への情報や刺激というものを全てシャットアウトするするように心がけるということです。
是非、以上の内容を参考にして頂けたら幸いです。
ちなみに、本記事は私自身が読んだり聞いたりした情報と、実体験にもとづく情報にて発信しています。
本記事を書くにあたって参考にした文献は以下の通りです。
『参考文献』:スタンフォード大学教授が教える 熟睡の習慣(PHP新書) 著者:西野精治