※このページは2019年4月21日の巻機山 山スキー の山行記録です。
巻機山の概要 ※山スキー
- 所在地:新潟県南魚沼市、群馬県みなかみ町の境にある山で日本100名山
- 標高 :1,963m
- 適期 :3月上旬~4月下旬頃
- 難易度:中級者向き ※山スキーではアプローチがやや長く、井戸尾根の登りでは板を外さないとクリアできないほど傾斜が強い
- 体力度:※10段階中『6』
- 危険度:※10段階中『5』 井戸尾根では滑落の危険性が強く、春先の米子沢はデブリやクラックが多く発生するため慎重さが求められる
- コース:登りは夏道と同じ井戸尾根のコースをたどり、下山は同ルートか米子沢を滑走
さてさて、この前の日曜日に久々に巻機山で滑ってまいりました!
本来なら白馬槍ヶ岳に行く予定でしたが、残念ながら登山口の猿倉までの通行規制が解除されておらず、下から頑張って歩くのも効率が悪すぎるので、ここは違う山に行こうと考えを変えました。
そもそも白馬槍ヶ岳のバックカントリーに関しては、一応募集はしていたのですが、ストイック過ぎる内容だったため誰も参加表明せず・・・
お一人様で滑るのも寂しいので、ここはかつての私の古巣に『私を雪山に連れてって!』と依頼をし、県内最強バックカントリー集団の山行に混ぜて頂くことになりました(^.^)
まあ、とにかくこの人たちはとにかく登りまくるし、滑りまくるし、危ないことをしまくるし、とにかくめちゃくちゃな内容ではあるけど、一人一人の能力値が半端なく高いし、いざって時は助けてくれるので、一緒に行動していて非常に心強いです。
そして意外にも、私がグループ内では最年少という事実(笑)
皆さん、そこそこ年を重ねた年配の方たちです。
それでも体力は20代には負けない強靭な肉体を持っておられます。
とまあ、巻機山に至った経緯は、白馬槍ヶ岳を断念し、たまたま依頼した古巣の活動が巻機山だったからなのですね。
ではでは、当日の内容について語らせて頂きます。
皆さんと現地で合流後、清水の集落周辺からさっそく板を履いてスタートします!
相変わらずスタートから勢いよく進んでいくので、生ぬるい山行ばかりしていた肉体が果たしてもつのか不安になりました・・・
そして、最近腰を悪くしていて、ガチガチにテーピングで固定していたけど、それもいつ爆発するのか不安でした・・・
そう、まさにお願いしたのはよいのだが、万全な状態ではなかったので、無事に一日を乗り切れるのか不安だらけのスタートでした(汗)
そうこうしているうちに、巻機山の最難所である井戸尾根の登場!
上の写真にある左前方に見えるのが井戸尾根です。
写真だと全く凄さが分かりませんが、けっこう厄介な傾斜の斜面なんですよ!
シールだけであげるには、かなりのテクニックが必要です。
そして、私は途中で板を脱ぎ担ぎました・・・・
少々敗北感を感じる自分・・・
登りきった時にメンバーに言われた一言・・・
『あれ?板担いで登ってきたの?』
古巣で現役バリバリに活動していたころは、この程度の傾斜で板を担ぐようなことをしなかった私ですが、久々過ぎてビビッてました。
そして、彼らへの返答はと言うと・・・
『いや~、ビンディングのヒールの調子が悪くて履いた状態ではとても登りきれなくてね・・・』
などという言い訳をたれてその場をやりすごしました・・・
負けず嫌いな性分なものでしてね(笑)
でも、もう一つ言い訳を言わせてください!
本当にビンディングの調子は悪かったのですよ!
ちょっとだけですが・・・
これって嘘ではないですよね(^.^)?
さて、井戸尾根を登り切ってしまうと後は比較的楽ちん!
ところどころ急なところはあるけど、大したことはない!
そして、その後も足早に先へ進みます。
標高1600mくらいになると一気に視界が開けます!
ちなみにこの場所は、3年前に同じ時季のこの場所でツェルト泊をしましたが、とてもなだらかな傾斜で横にも広いので、ベースキャンプ地としては最適な場所です。
その時は私以外にも、他に2人のメンバーがいましたが、とにかく食材を大量に荷揚げし、飲んで食っての繰り返しで滑った記憶がありません(笑)
そして、夜間に降雪があり、ツェルトのベンチレーションから多量の雪が私の顔面に襲いかかってきたのは今でも鮮明な記憶として残っています…
誰かさんのパーティーが泊まりできていたようです。
そこそこ大きなテントだったので、前夜は大変盛り上がったに違いないでしょう。
そして、ニセ巻機山の主稜線へとりつき、一度ここから米子沢へ落とします!
米子沢のボトムまで落とし、ここから山頂に向けて再度登り返します!
登り返しをはじめて約30分もするとすぐに巻機山主稜線へ到着!
そして、本日のメインイベントである裏巻機渓谷へ向かってのドロップ!
私は巻機山のバックカントリーは3回目ですが、この裏巻機渓谷に向かって滑ったことは一度もなく、前からこの大きな斜面を滑ってみたいと思ってたので、今日はラッキーでした!
雪質を確認し、快適に滑れるかどうかを確認します。
勢いよく滑ってみたはよいけど、クラストしてて大変な目にあったことはたくさんあるので、ここは念入りに!
まあ、私がする以前に彼らのリーダーが先に到着してチェックしてるので、私が確認するまでもないですが・・・
スキーヤーの先輩が先に出動です!
特にクラストしていることもなければ大きなうねりもなく快適に滑っているようです。
どこまでも続く大きな沢・・・
目先に広がるのは越後三山の山々!
今年は越後駒ヶ岳に行こうか検討中…
先輩の滑る姿をみながらそのようなことを思う・・・
そしてボーダーの先輩も行く!
奥に広がる稜線は上越国境稜線となり、奥側は群馬県になります!
この沢を滑って登り返したら、ちょこっと群馬県にお邪魔するとの事だそうです・・・
あっと言う間にボーダーの先輩は遠いかなたへ・・・
そして他の方々も全員滑り、残された私一人が滑るだけ・・・
いつも思うけど、最後の滑走者はどことなく緊張感というか、焦りというか・・・
当然、滑走中にしくじって怪我をしたり雪崩に巻き込まれたりすれば、救助にかけつけてくれる仲間も全員下にいるわけだから、いざって時は非常にリスクが高いものです。
だから失敗が出来ない恐怖感みたいなものがあるのかな!
ん~・・・
よくわかんないけど、複数でくると最終滑走はなにか違いますね。
さて、私も無事にみんなと合流し、軽く昼食をとったあとは群馬県に遊びにいくため、早々に準備をし登り返します!
そしてこの古巣のリーダーは恐ろしく早いペースで登り返します。
あっと言う間にリーダーは稜線までいってしまった!
年齢は50近いのに、どんだけパワー持ってるんだ(笑)
さて、メンバー全員が国境稜線に到達し、群馬県側に落とす準備をします。
落とす沢は谷本沢・・・行き着く先は奥利根湖です!
つまり、ここは利根川の源流点ですね(^.^)
谷本沢と、奥に広がる国境稜線の山々・・・
こうみると、まだまだ雪がたくさん残ってますね!
巻機山も、恐らく5月上旬までは問題なく滑れると思いますよ(^.^)
群馬県へ飛び立つ先輩ボーダー!
どんどん奥利根に向かって滑っていく・・・
今日は関東からきているメンバーもいたので、このまま滑って帰った方が早かったり(笑)
さて、各々300mほど落とし、また登り返しのスタートです!
国境稜線まで登り返し、本日最大のメインイベント!
米子沢滑走です!
でも、彼ら的には米子沢は単なる帰る手段であって、なにも特別でもなんでもないとのこと・・・
私だけが特別なんでしょうかね・・・
このまま巻機山頂から米子沢を通じて登山口まで帰ります。
そんなに面白いものではありませんが、アクションカメラで撮影した米子沢滑走動画を一通り下記にアップしました。
雪質が悪く、しかも序盤は傾斜が緩くスピードが出ないため迫力感に欠ける動画です。
また、カメラも下向きになっていたため、少々みにくいかもしれませんが、それでも良ければ我慢してご視聴頂けたら幸いです(笑)
※巻機山 米子沢滑走動画№1
※巻機山 米子沢滑走動画№2
※巻機山 米子沢滑走動画№3
※巻機山 米子沢滑走動画№4
※巻機山 米子沢滑走動画№5