※この記事は2019年7月4日に更新しました。
『美味しいタラの芽を自分で採って食べたい』
『どこに行けばタラの芽は生えているの?』
『タラの芽が採れる時期はあるの?』
『タラの芽は許可なくどこで採っても良いの?』
そんな疑問を持っていらっしゃる方に!
この記事は、山菜として人気のあるタラの芽の採れる時期と場所、そして山菜を採って良い場所ダメな場所についても解説していきます!
皆様、グルメ登山ブログの管理人であるDr.kです。
私は新潟県でグルメ登山ツアーと呼ばれる活動を行っている者です。
ここで私の素性を説明するのは少々大変ですので、必要な方は下記リンクの詳細ページへとアクセスしてくださいませ♪
今回ご紹介する内容は、山菜の王様である『タラの芽』についてご紹介していきます。
タラの芽って本当美味しいですよね?
そりゃ~山菜の王様と呼ばれるほどですから、採れたてのタラの芽を天ぷらにして食べたときのサクッサクの触感と風味はたまらんです(^^♪
私も大好きな山菜ですので、毎年春になると山にでかけてはタラの芽をゲットしてきます(^^)/
さて、そんなタラの芽について以下の通りご紹介していきます!
さらっと読める記事ですので、気になる箇所だけでも拾って読んでもらえたらと思います。
タラの芽ってどんな山菜なの?
さて、皆さんはタラの芽をどこまでご存知でしょうか?
食べたことがあっても、実際に自分で山に入って採ったわけでない方が多いかと思います。
実は、タラの芽ってタラノキと呼ばれる樹木なんです!
『え?木だったの?』
以外にも、タラの芽を樹木と認識している方が少ないことに驚きました!
山野草のような草ではなく、樹木ですのでお間違いなく!
私たちは、タラノキから生えている若葉、すなわち葉っぱを食べているわけです。
それがタラの芽の正体です!
では基本的なことをお伝えしたうえで、タラの芽の正体であるタラノキについて解説します!
タラノキ
- 別名:タランボ、オニノカナボウ
- 分類:ウコギ科タラノキ属の落葉低木
- 分布:日本全国各地の山地に自生
- 由来:同じウコギ科のウドが朝鮮語名『ツチタラ』と呼ばれ、タラノキの葉っぱははウドに非常に似ています。ウドに似ている木からタラノキとなったのではとの説があります。
- 特徴:樹高が2~4mほどで、幹が真っすぐ伸びる。また葉っぱは羽状複葉。さらに樹木全体に鋭いトゲがある。
ザックリとタラノキについて箇条書きにしてみました!
タラノキに失礼な言い方かもしれませんが、姿形が超シンプルで単純で分かりやすい樹木です!
なので素人の方でも特徴を把握しておくだけで見分けがつくと思われます(^^)/
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、下の写真のようにあまり枝分かれする樹木ではないのと、樹皮にはたくさんのトゲトゲがあるので判別つくかと思います。
私が真っ先に山菜を覚えたのはタラノキでしたので、山菜入門にはもってこいの山菜ですね。
タラの芽はどこで採れる?
これから山菜採りをはじめようと思っている方にとって最も気になるのが『一体どこに生えているの?』
そんな疑問だと思います!
正直申し上げます!
人の目につくところならどこにでも生えています!
『え?本当にどこにでも生えているの?』
そうなんです!稀なケースではありますが普通の民家の庭や畑にも生えているレベルです。
なので山菜採りのハードルは非常に低いと言えます!
このタラノキ、そもそも山でなくても普通の平地でも自生可能な能力を持っている植物なんですね。
そして芽生えるとグングン成長していきます。
まず樹木には生育の早いものと遅いものが存在し、このタラノキは前者の生育の早い樹木にあたります。
逆に生育の遅い樹木とは、ブナやシラビソ、コメツガが中心的な樹木にあたり、成長は遅いですが、寿命が長く次第に鬱蒼とした森林を形成していきます。
対してタラノキは成長がめちゃめちゃ早く、なんらかの自然災害で崩壊した場所に真っ先に生えてくる樹木です!
また、人間が人為的に森林を伐採し、陽が通るようになると真っ先に生えます!
先陣をきって生えてくることからパイオニア種なんて呼ばれていたりします。
なので図々しいやつなんです・・・タラノキってやつは(笑)
先陣きって真っ先に生えてくるほど環境に適応した植物ですので、山の開けたところや崩壊した斜面には案外生えているものです。
だから普通の民家の庭や畑にも生えているレベルなんですね。
また日当たりの決してよくはない林床部にもポツンと生えていることもあるので、なかなか侮れないやつです・・・(^^)/
最も見かけるのは、道路端の日当たりのよい斜面に多く自生してます!
まあこんな感じのところによく見かけます。
確率で言うと、林道や道路端で一番みかけるかもしれませんね!
タラの芽が採れる時期は?
山菜の中ではとっても長い期間で採取可能!
このタラの芽、実は春だけしか食べれない山菜ではないのです!
私の住んでいる新潟県での採取時期は、3月下旬~7月上旬くらいとも言えます。
一般的には3月~5月くらいが目処になるのでしょうが、私の住んでいる地域ではそんな感じです。
ちょっく標高の高い山にいけば7月下旬くらいまでいけるかなと思います(^^)/
『そんなに長く採れちゃうの?』って思われるかと思いますが、タラの芽を山菜として食べれる期間はそのくらいですよ!
『長い期間採れる理由』
- 標高の低い高いで生えてくる時期が異なる
- 新潟県のような多雪地域は、山によって雪解け時期がまちまちなので採取時期の幅が広い
- ある程度成長した葉っぱも食べれる
- 次々と新しい芽が出てくるので、春を過ぎても若葉を採取できる。
長い期間でタラの芽を採取できるのは、特に3番、4番のタラの芽の生命力による恩恵が大きいですね♪
若葉が成長してかたくなってしまうと、今年は終わりかなと思ってしまいます。
しかしそれは違います!
2週間後にくるとまた新しい若葉が生えていたりするし、葉に柔らかさがあれば問題なく食べれます!
例えばこんなに大きくなったタラの木の若葉をご覧ください。
若葉がこんなに大きくなってしまったら食べれないと思いますよね?
でも実は食べれるのです!
幹の頂点から伸びている若葉の先端部分は柔らかいはずです。
根本はかたいかもしれませんが、葉の先端部分は身がしっかりあって美味しいはずです♪
さらにこんなパターンもあります!
上の写真のように、側芽から新しい若葉が伸びていますよね?
これはもちろん!食えます(^^)/
で、この写真は7月上旬に標高100mくらいの里山で撮影したものです。
『え!そんなクソ暑そうな時期でも普通にタラの芽がとれちゃうの?』
そうなんです!採れちゃうし食べれちゃいます!
だから季節を逃してしまったといって諦めないでくださいね(^^♪
タラノキが歩いて逃げることはないので、生えている場所が分かればいつでも採れます!
タラの芽を採る時の注意点
以下のことにご注意ください。
- 鋭いトゲがあるので肌を傷つけないように気を付ける
- タラの芽を全部採らないようにしましょう!
- 急斜面のタラの芽は深追いしない
- 樹木全体が折れやすいので、無理に曲げたり引っ張ったりしない
順に説明していきます。
鋭いトゲがあるので肌を傷つけないように気を付ける
タラノキは樹木全体にトゲが無数に出ています。
そのため、装備が準備をおろそかにしていると痛い目にあいます。
必要な装備
- 手袋
- 上下長袖長ズボン
- 折り畳みナイフ
私が使っている手袋は作業用のラバー手袋です。
軍手だとトゲを通すし分厚く作業しにくいので、荷作業用のラバー手袋はオススメです。
次に上下長袖長ズボンについては、動きにくくならない程度の厚手で丈夫な生地を採用しましょう!
間違っても半そで半ズボンで山には入らないようにしてくださいね。
山菜採りは整備されてないところで行われるので、肌を出していると藪こぎで全身がズタボロになってしまいます。
意外にも、タラノキの周辺には同じくトゲを持つ植物が多かったりします。
あと、薄い記事は引き裂ける可能性があるのと、トゲを通してしまうのでオススメ出来ません。
動きにくくならない程度にしっかりと厚みのある丈夫な生地で臨まれてください。
最後に小型ナイフと袋ですね。
芽を丸々摘むのであればナイフは必要ありませんが、伸びた若葉の柄を切断するさいには必需品になります。
手でむしると綺麗に採取できませんし、ぶれてトゲが刺さる可能性があります。
タラの芽を全部採らないようにしましょう!
植物は光合成をすることで生命力を得ています。
私たち人間でいえば食事ですね。
当然、その年に十分な光合成ができないようなら樹木は枯死します。
タラの芽は葉っぱです。
つまり、タラの芽を全て摘んでしまう行為はタラの芽から栄養補給の手段を奪うことになります。
よくタラノキが立ち枯れしている姿をみることが多いですが、これは人間が遠慮なくむしり採ってしまった可能性が高いです。
野生動物の可能性も否定はできませんが・・・
なので、目を摘むようなことがあっても全体の1/3程度で我慢しましょう!
翌年も元気よく育ってくれるために。
まあ、自分が我慢しても他の人がおかまいなしに摘んでしまう可能性はありますけど・・・
少なくとも、この記事を読まれている方は紳士的な対応をお願いします!
急斜面のタラの芽は深追いしない
タラの芽は斜面に生えていることも多く、中には急斜面に生えているケースもあります。
だからといって危険なチャレンジをしてまで採る必要はありません。
無理に採ろうとして滑落でもしたら大変です。
それこそ大けがをして遭難騒ぎになったら人生に汚点を残す結果になりますし、後遺症や命を失いかねない結果にもつながります。
どうしても採りたい方は、クライミングロープで自分を確保しながら採ってください!
樹木全体が折れやすいので、無理に曲げたり引っ張ったりしない
びっくりするほどタラノキはめちゃめちゃもろいです。
幹や枝を引っ張ったりして体に近づけようとすると・・・『ブチ!!』・・・
そんなことがよくあります(;'∀')
だから強引に引っ張るのはやめてください!
もし、背の高いタラの芽を採りたい場合、紐やロープを幹や枝にむすんで使うと良いでしょう!
手前に引くようにすればタラノキにかかる負担も少なくなりますし、作業もらくになります。
山菜採りは所有者の許可なく採取はできない?
これは誰もが気になっていることではないでしょうか?
各地で山菜採り禁止の看板をみかけることが多くなっているかと思います。
まず忘れてはならないのが、山には必ず土地の所有者がいます。
さて許可なく山菜を採ってよいのかどうか?
結論から言うと・・・
『土地の所有者次第!』
は?って思いますよね?
でも実際そうなんです。
理屈はこうです。
誰かの家の庭に無断で侵入したとします。
もちろん面識のない所有者の家です。
そして家主に見つかったとします。
でもその家主は見て見ぬふりをして何も言ってこないし、警察に通報することもない。
つまり法的に問題はあるのだけど、家主がなにも言わないからその人はなにもお咎めなしってわけです。
山でも同じことが言えます。
つまり『土地所有者の黙認』ってやつです。
もしこれが黙認されず所有者に許可を得なければならない場合、私たちは山菜採りどころか山で自由に登山は出来ません。
なので、土地所有者が『入山しちゃダメ!』
って言ってきたら、その人が所有する山には入山できないのです。
または『入山しても良いけど山菜は採っちゃダメだよ!』
そう言ってきた場合は山には入れるけど山菜に限っては採ることが出来ない。
登山そのものを禁止するというより『山菜採りは禁止』といった条件付きの場合がほとんどだと思います。
なので、山菜に関しては非常にグレーゾーンの世界で行うことになるので、事前に禁止されている地域であるか否かを確認する必要があります。
まとめ
さて、ここまでタラの芽についてザックリと紹介してきました。
タラの芽を採ることじたい、そんなにハードルは高くないということがお分かりになったかと思います。
ただハードルが低い分、タラの芽をめぐって人間同士の競争も激しいものになります。
別に人間どうしが争うわけではありませんが、先を越されているケースが多く、すでにむしり採られているのにさらに採ろうとするとタラノキは枯死してしまいます。
また、無理やり採ろうとして幹をへし折ったりすることもあります。
みんなが同じことをしようとすると、植生に大きなダメージを与えてしまいかねませんので、一人でも多くの方が植物に対して理解を持ち、理性ある山菜採りを行って頂きたいものです。
また、山菜採りをめぐって法律についても少し触れましたが、また別の機会に話を深めていきたいと思います。
山に関する法律やルールについて語ったらきりがないので(笑)
以上『タラの芽が採れる時期と場所 そして山菜採りで気をつけたいこと!』でした